• Outline

    2019年度東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻において、菅亮平通年ゼミ「プレゼンテーション・スタディ」を開催します。本講座は、アーティストにとってのプレゼンテーションの在り方を主題としたレクチャー及びディベート形式のゼミであり、2019年6月から2020年1月までの間に年十回のプログラムを予定します。本学油画科に在籍する学生のうち希望者を主な受講対象としますが、他科の在学生も参加可能です。開講日時はその都度告知しますが、月に1~2回の頻度で、授業終了後の夕方の時間帯に、参加学生からの質疑応答や個別対応の時間を含めて90分~120分のボリュームで構成します。また、10月に油画科で開講される「2019年度実技カリキュラム 非常勤レクチャーC」の期間内には、アーティストにとってのプロポーザル(企画書・提案書)の作成をテーマに計四回にわたって集中講義を行います。

  • Purpose

    アーティストにとって、「表現」という言葉の意味やその行為の範疇はどこまでを指すのでしょうか。それは、作者と作品の単一的な関係の中だけで終始するものではありません。美術が「見て、感じ、考え、表し、伝える」という人間の社会生活におけるコミュニケーションの根幹に寄与するものであると考えたとき、他者との関係性に基づく「伝達」や「共有」といった観点が「表現」には常に伴います。従って、各自の創作活動において豊かな社会性を獲得するその過程の中の「プレゼンテーション」の総体が、アーティストにとっての「表現」であると考えられるのです。本講座では、ポートフォリオ、プロポーザル、ステートメント、トークなど、作品制作の周辺あるいはその前後に必要とされる表現活動について、その基本となる考え方や具体的なメソッドを体系的に紹介することを目指します。またここでは、現代美術を中心的な話題として扱いますが、多様な創作活動の在り方を前提とし、様々な表現領域に適用可能な拡張性のある講義を旨とします。「自分の考えを他者が理解できるように目に見える形で示す」という、アーティストの基本に立ち返りながら、プレゼンテーションにおける総合的な表現力について考えていきましょう。

  • Program

    ① ポートフォリオ (6月)

    ② アーカイブ (7月)

    ③ プロポーザル 1 (10月)

    ④ プロポーザル 2 (10月)

    ⑤ プロポーザル 3 (10月)

    ⑥ プロポーザル 4 (10月)

    ⑦ ステートメント (12月)

    ⑧ トーク (12月)

    ⑨ インターネットとソーシャルメディア (1月)

    ⑩ 英語 (1月)

    ※全講座終了しました。

  • Lecture

    プレゼンテーション・スタディ 第1回 終了

    「ポートフォリオ」

     

    日時:2019年6月28日(金) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校舎 中央棟第5講義室

     

    アーティストにとっての作品制作とは、長い期間にわたって連綿と継続されていくものです。またその変遷と展開の中で、各自の制作のテーマやスタイルを徐々に構築することができます。そしてプレゼンテーションの現場では、自身の創作活動の軌跡を伝えるための「ポートフォリオ」の作製が重要になります。ポートフォリオは、単に時系列に従って作品の写真を収めた「アルバム」とは性格を異にするものであり、活動の概要あるいはその総体を代弁してもらうための的確な編集が必要になります。ここでは、アーティストが自身のアイデンティティを表明し各自の活動の起点を形成しうるポートフォリオの在り方を理解することを目指して、その基本的な構成や作製方法を参考事例と共に紹介します。各自が作製したポートフォリオのファイルやデータを当日に持参してもらえれば、それらについてコメントをする時間も設ける予定です。

     

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    プレゼンテーション・スタディ 第2回 終了

    「アーカイブ」

     

    日時:2019年7月16日(火) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校舎 絵画棟2F演習室​

     

    デジタル化が進む今日の社会においては、電子メディアによるアーカイブの在り方が様々な局面で議論・模索されています。しかし、美術は一般に「モノ」を扱う分野でもあり、物理媒体と電子媒体の双方のアーカイブが常に課題になります。そして、自身の作品や展覧会といった創作活動のハイライトを写真や映像で適切に記録・保管・整理し、これを活用することは、アーティストのプレゼンテーションにおいて最も重要な要素であることに他なりません。また一方で、アーティストにとっての創作とは、単にスタジオの中での作品制作や展覧会の開催だけを指すわけではなく、そのワークフローは日常生活の中で既に始まっています。何気なく撮影したスナップや、思いついたことを書き留めたメモ、気になったウェブサイトの記事のスクリーンショットなど、普段の生活の中で紡がれた細やかな情報の集積が作品制作に関わってくると言えます。さらに、制作プロセスにおける種々のアーカイブは、ときに作品の成立そのものに大きく関与し、それ自体が作品を形成することさえあるのです。ここでは、単にプレゼンテーションという観点だけにとどまらず、美術とアーカイブの関係について多角的に考察することを目指します。

     

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    プレゼンテーション・スタディ 第3〜第6回 終了

    ドローイングとしてのプロポーザル

     

    油画科「非常勤レクチャーC」全4回集中講義

    対象:「自主制作」選択の油画科1,2年生と希望者​

     

    世の中には、アーティストは非常識的な人間であるという見方もあるかもしれません。しかし、アーティストが創作活動における様々なビジョンを実現するためには、数え切れないほどの現実的な問題と一つ一つ向き合い、それらを「常識的に」解決しなければならないことも事実です。非常識的であるべきなのは、本来その見掛けや振る舞いではなく、アーティストが生み出すアイデアの方なのです。「企画書、提案書」を意味するプロポーザルは、社会の枠組みの中で各自のアイデアを実現するための第一歩です。そしてプロポーザルをまとめるにあたっては、それぞれの狙いに基づいたイメージの作画(展示のシミュレーション図など)といったビジュアライゼーションの要素に加え、制作テーマや企画趣旨などの文章記述、また一方で予算や進行計画などの事務的な内容も含まれます。本講座では、プロポーザルの作成をいわば広義の意味での「ドローイング」として捉え、各自のビジョンを具体化させるプロセスとその複合的な創造性のあり方について考察を行います。ここでは主に展覧会の計画を目的とした内容に重点を置きますが、アートプロジェクト、レジデンスプログラム、留学、奨学金など、用途別のプロポーザルの作成に対しても理解を促します。

     

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    プレゼンテーション・スタディ 実習課題 終了

    「作品が展示された状態の想像図を作る」

     

    締切:2019年10月23日(水) 17:00

    対象:「自主制作」選択の油画科1,2年生と希望者​

     

    10月1日〜25日の「非常勤レクチャーC」の期間内には、プロポーザル(企画書、提案書)の作成をテーマとした「ドローイングとしてのプロポーザル」を全四回の集中講義の形で行います。同期間の選択カリキュラムの中で「自主制作」を選択した学部一、二年生は、この「非常勤レクチャーC」を受講することになっています。本講座では、主に展覧会の開催を前提としたプロポーザルの作成についての包括的なレクチャーを行いますが、その中で展覧会の様々なシミュレーション画像の作画方法を紹介します。受講生はそのレクチャーの内容を参考にして、各自の作品(過去作品でも現在制作中の作品でも良い)が展示されている状態を他者に伝えるための絵(あるいは図)1点以上を期日までに作製してください。作画のための素材と方法は、手書きのスケッチ、写真によるコラージュ、模型の写真、デジタルイメージなど、各自の創作内容に応じて自由に行ってもらって構いませんが、最終的には作品画像とともに画像データの形式で提出を行います。授業最終日の10月25日には、各自が提出した作品画像と展示シミュレーション画像をもとに、3〜5分のプレゼンテーションを全員に行ってもらう予定です。

     

    受講生の実習課題「作品が展示された状態の想像図を作る」>

    プレゼンテーション・スタディ 第3回 終了

    「プロポーザル 1」

     

    日時:2019年10月10日(木) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校地 絵画棟2F演習室​

     

    [展示のシミュレーション]
    「非常勤レクチャーC」における「ドローイングとしてのプロポーザル」の初回にあたる本レクチャーでは、まずここで話題とする「プロポーザル(企画書・提案書)」の概要と講座の趣旨について解説を行います。そして、展覧会企画のプロポーザルの作成において最も重要なポイントである、展示シミュレーションのためのビジュアルイメージの様々な作製方法とその事例について紹介します。日本における美術大学の油画科の状況を考えたとき、大学入学後は立体や映像、インスタレーションなど、様々な表現メディアを用いた創作に発展していく学生が少なくありません。しかし受験時にはデッサンを始めとした絵画の基礎力が必要とされるため、ほぼ全員が絵を上手に描くことができると言って差し支えないでしょう。ここでは、そのような作画スキルをプロポーザルの作成においても発揮することを目指します。また展示模型の作製方法についても説明を行い、展覧会の会場構成を俯瞰的に探求するそのあり方を紹介します。同期間内の選択カリキュラムにおいて「自主制作」を選択して本講座を受講する油画科学部一、二年生の学生は、実習課題「作品が展示された状態の想像図を作る」の前提となるレクチャー内容ですので、出席を心がけてください。

     

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    プレゼンテーション・スタディ 第4回 終了

    「プロポーザル 2」

     

    日時:2019年10月15日(火) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校地 中央棟第2講義室

     

    [プロポーザルの書類作り ]
    プロポーザルを作成・提出するにあたっては、プレゼンテーション・スタディ 第3回「プロポーザル 1」で取りあげたビジュアルイメージの提示に加えて、様々なテキストワークが必須になります。その企画の趣旨や内容を文章で書き表すだけではなく、プログラム、予算、進行予定、推薦書の依頼など、多岐にわたる項目について具体的な設定をしなければなりません。アプリケーションを目的としたこのような書類作りに対しては、誰しもが苦手意識を感じたり面倒だと思う気持ちが沸くものです。しかしアートの世界においても、各自の創作活動の発展やキャリアメイキングの上で、様々な書類のフォーマットに適切に対応する能力や経験が重要になります。ここでは、実際の展覧会や助成プログラム等の公募内容を参照しながら、各自の目的意識と計画を明確に他者に伝える書類作りについての考察を行います。展覧会、アートプロジェクト、レジデンスプログラム、留学、奨学金など、異なる用途に応じたプロポーザルの作成についての包括的な理解を得ることを目指した、極めて実践的な講義内容です。

     

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    プレゼンテーション・スタディ 第5回 終了

    「プロポーザル 3」

     

    日時:2019年10月21日(月) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校地 絵画棟2F演習室​

     

    [ヴェネチア・ビエンナーレのプロポーザル読解 ]

    プロフェッショナルなアートの現場で提出される展覧会の企画書とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、プレゼンテーション・スタディ 第3・4回の「プロポーザル 1・2」の講義内容を踏まえて、過去3回(2015、2017、2019年)の「ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」の日本館のコンペディションにおいて提出された計15点のプロポーザルの内容を参照します。独立行政法人国際交流基金(The Japan Foundation)が主催するヴェネチア・ビエンナーレの日本館における応募と選考プロセスは、参加アーティスト自身が主体となるものではなく、展覧会のキュレーションを行う企画提案者(主にキュレーターなど)が作成したプロポーザルに基づいています。そして世界最高水準の国際展に向けて準備されたそれらの内容は、日本語で現在アクセスしうる、最も良質な現代アートのプロポーザルの事例であると言えます。今日の社会をどのような問題意識に基づいて眼差し、どのようなアート作品が日本から世界に向けて発信されるべきなのか。その議論の内容を知ることは、アーティストが各自の作品制作の展開や展覧会企画における視座を設定する上においても有意義な機会であると考えます。

     

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    プレゼンテーション・スタディ 校外見学 終了

    「 PARADISE AIR 訪問」

     

    日時:2019年10月22日(火) 14:00~16:00

    場所:PARADISE AIR(千葉県松戸市本町15-4)

     

    アーティスト・イン・レジデンス『 PARADISE AIR (パラダイス・エア) 』は、千葉県松戸市に位置する、国内外からアーティストが訪れ滞在し作品制作や発表を行う、芸術家滞在施設およびプログラムです。10月22日に同施設内ラウンジで開催されるトークイベント「世界のアーティスト・イン・レジデンスから|日本編」を聴講し、イベント終了後にはレジデンス施設を見学します。関心のある学生は講師と一緒に参加し、アーティスト・イン・レジデンスについての理解を深めましょう。

     

    [世界のアーティスト・イン・レジデンスから|日本編]
    日程:2019年10月22日(火・祝)
    時間:14:00~15:30
    会場:PARADISE AIR ラウンジ
    住所:松戸市本町15-4 ハマトモビル 5F
    料金:無料
    発表者:長谷川新(PARADISE AIRゲストキュレーター)、五藤真(アドミニストレーター)、PARADISE AIRスタッフ

     

    イベントの詳細 >

    プレゼンテーション・スタディ 第6回 終了

    「プロポーザル 4」

     

    日時:2019年10月25日(金) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校地 絵画棟2F演習室​

     

    [受講生によるプレゼンテーションと講評]
    「非常勤レクチャーC」における「ドローイングとしてのプロポーザル」の最終回にあたる「プロポーザル 4」では、油画科学部一、二年生の受講学生ら(選択カリキュラムにおいて「自主制作」を選択した学生)によるショート・プレゼンテーションの実践を行います。まだ十分なプレゼンテーションの経験を持たない多くの一、二年次の学部生に対して、人前で作品を説明するプラクティスの機会を設けることを趣旨としています。受講生を対象とした課題「作品が展示された状態の想像図を作る」に基づき、各自が事前にメールで提出した作品画像と展示シミュレーション図をプロジェクションで上映しながら、それぞれ3〜5分程度のプレゼンテーションを順々に行ってもらいます。また時間の許す範囲で講師によるコメントを述べることで講評の場とし、発表内容を鑑みて採点を行います。他の講座の回と同様に、希望者は自由に参加して聴講することができます。

     

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    受講生の実習課題「作品が展示された状態の想像図を作る」>

    プレゼンテーション・スタディ 第7回 終了

    「ステートメント」

     

    日時:2019年12月17日(火) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校地 中央棟1F第2講義室

     

    美術とは「言葉で言い表せないことを表現するためにあるもの」なのでしょうか。「百聞は一見にしかず」ということわざがあるように、美術作品の創作に携わる人間の中には、作品を語る言葉を否定的に捉える傾向もあります。しかし、ビジュアル・アーティストもまた創作活動の様々な局面において、自身の考えを文章で表明する機会に遭遇し、それらを完全に回避することが難しいことも事実です。「ステートメント(声明文)」とは、一般にアーティスト自身によって作品と共に提示される、作品の背後にある考えを文章化したものです。作品のテーマ(主題)やコンセプト(制作意図の要旨)、モチーフ(題材)について詳述するだけでなく、制作プロセスやその素材について重きを置くこともあれば、作品制作の動機(出自やバックグラウンド)やリファレンス(参照先、引用先)に言及する場合もあり、実に多種多様な観点が試みられます。ここではまず、ステートメントの執筆に際した前提事項を確認しながら、様々なアーティストのステートメントの事例を参照してその読解を行います。鑑賞者に向けて作品の理解を促し、あるいはその意味を補完するテキストの可能性を探求していきましょう。

     

    授業用レジュメ>

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    プレゼンテーション・スタディ 第8回 終了

    「トーク」

     

    日時:2019年12月18日(水) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校地 中央棟1F第2講義室

     

    プレゼンテーション・スタディ 第7回「ステートメント」に引き続いて、本講座でも美術と言葉の問題について考えます。美術作品とは数多くの要素と文脈が絡み合った複雑な構造体であり、多岐にわたる論点が含まれています。そして制作者本人が自作を説明する観点や状況もまた様々であり、それぞれのTPOに応じて話をすべき優先順位を変えなければならないことさえあるでしょう。大学の講評で、展覧会の会場で、トークイベントで、食事会で、はたまた道端で、自身に与えられた限られた時間の中で作品を端的に説明することは、各自の作品の構造を見直すことにも繋がっていきます。作品について何を語りあるいは何を語らないのか、それがアーティストとしてのそれぞれのアイデンティティを構成するものである以上、アーティストの数だけそのあり方はあって良いはずです。そして作品の様態には無数のバリエーションがあるため、その判断が一様であるはずもありません。ここでは、美術における言葉を介した他者とのコミュケーションのあり方とその可能性を多角的に考察することを目指します。また、トークイベントでの発表を効果的かつ効率的に行うためのスライド作りの基本とその構成方法を紹介します。

    (※ 本講座の後半パートでは、2015年に本学油画科を修了した美術作家の吉野ももさんをゲストに迎えてトークイベントを開催します。)

     

    授業用レジュメ>

    吉野ももアーティストウェブサイト>

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    プレゼンテーション・スタディ 第9回 終了

    「インターネットとソーシャルメディア」

     

    日時:2020年01月15日(水) 10:00~12:00

    場所:東京藝術大学上野校地 中央棟第3講義室

     

    特に2000年代半ば以降のソーシャルメディアの誕生によってインターネットを巡る状況は一変し、情報の発信者と受信者が相互に関係し合うようになりました。これらの技術革新によって私たちの日常的なコミュニケーションの在り方そのものが変化し、ソーシャルメディアは単に民間企業によるサービスの枠を超えて、現代社会における重要なインフラストラクチャーの一つになっています。アーティストにとってインターネットや様々なデジタルデバイスは、単なる情報通信の方法にとどまらず、世界認識の根幹に関わる問題として近年その関心が集まっています。また、今日におけるそのような情報環境を背景にして、アーティストの活動のあり方も変容しています。ウェブサイトやソーシャルメディアを活用した活動の展開が様々な形で模索され、プロジェクトにおける資金集めとして「クラウドファンディング」で出資者を募る例も数多くみられます。ここでは、今日のメディア状況に関する前提知識をレクチャーによって共有した後に、参加者を交えたディスカッションを行います。アートとインターネットメディアの関係性について意見を交換し合い、幅広い視点で議論を深めることを目指します。

     

    授業用レジュメ>(準備中)

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    プレゼンテーション・スタディ 第10回 終了

    「英語」

     

    日時:2020年01月17日(金) 10:00~12:00

    場所:東京藝術大学上野校地 中央棟第3講義室

     

    「翻訳コンニャク」の実用化と海外での展覧会の機会は、あなたにとってどちらが先になるでしょうか。通年ゼミ「プレゼンテーション・スタディ」では、ポートフォリオ、プロポーザル、ステートメント、トークなどのトピックを通して、特にアーティストにとっての作品と言葉の関係について向き合ってきました。最終回にあたる本講座では、多くの日本人アーティストにとって悩みの種の一つである英語の問題について扱います。今日の社会のグローバリゼーションにおいて、世界の共通言語として汎用される英語の語学力の重要性がしばしば指摘されています。一方で、日本人は英語を苦手とする傾向があり、それはアートの現場においても同様であるでしょう。ここでは、日本を始めアジア出身のアーティストが英語でどのように作品を語っているのかという事例を紹介しながら、バイリンガルな視点で作品制作を行うための導入となる実践的な提案を行います。インターネット上で公開されているウェブコンテンツやスマートフォンのアプリを用いた英語の勉強方法も授業内で取り上げますので、英語に取り組むきっかけを探している学生の方はぜひ参加してください。英語によるコミュニケーション能力に基づいた、インターナショナルな創作活動のあり方について考えていきましょう。

    (授業後半で、油画B2の奥村研太郎と油画M1の川端健太による英語の作品プレゼンの演習を行います。)

     

    授業用レジュメ>

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  • Extra

    特別講義 (自作論) 終了

    「絵画と絵画性」

     

     

    日時:2019年6月25日(火) 17:00~18:30

    場所:東京藝術大学上野校地 絵画棟 油画技法・材料研究室

     

    私は2008年頃に画家として自身のアーティストのキャリアを開始しました。美術を学び始めた当初から、特に近現代のドイツの画家や写真家たちに関心を持ち、現代社会において変わりゆく現実の在り方を絵画や写真を通して表現した彼らの芸術の在り方に大きな影響を受けました。近年は、美術館やギャラリーの展示室を題材としながら、ドローイング、写真、様々な印刷技術、模型、3DCG、映像、サウンド、建築などの様々な表現領域にまたがって作品制作を行っています。しかし、そのような多様な表現メディアを横断する自身のアプローチは、一歩一歩、絵画という分野から地続きに展開してきたものです。私は、筆と絵具とキャンバスで制作したイメージだけを絵画として捉えるのではなく、そのメディウムとしての意味の射程はより広く設定されうるべきだと考えています。ここでは、この十年間の自作における「メディウム・スタディー(表現表現メディアの研究とその実践)」を一つの事例として紹介しながら、「絵画」と「絵画性」について考察する機会を作りたいと思います。

     

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    油画特別講義 終了

    「bi-PARADISE in PARADISE AIR」

     

     

    日時:2019年11月06日(水) 17:00~19:00
    場所:東京藝術大学上野校地 中央棟1F第2講義室

     

    アーティスト・イン・レジデンス「 PARADISE AIR (パラダイス・エア) 」は、千葉県松戸市に位置する、国内外からアーティストが訪れ滞在し作品制作や発表を行う、芸術家滞在施設およびプログラムです。そして長期滞在プログラム「LONGSTAY Program」では、毎年アーティストを世界中から公募し、松戸での滞在制作を支援しています。2013年の設立より6年間、のべ300人のアーティストを受け入れてきたPARADISE AIR。LONGSTAY Programで招へいされたアーティストたちは松戸で3ヶ月間の滞在制作をおこない、最終成果を報告するとともに、その過程でまちへ沢山の新しい視座や問題提起をもたらしてきました。今年は605組の応募の中から選ばれた3人組のアーティスト・グループ「bi-(ビ)」が、現在パラダイスエアの中で彼ら独自のアーティスト・イン・レジデンス「bi-PARADISE」を開催しています。本特別講座では、PARADISE AIRディレクターの森純平氏と「bi-」の三名を招き、PARADISE AIRの活動と「bi-」のアートプロジェクトについての紹介をおこなって頂きます。

     

    講義の詳細 > 告知用ポスター >
    bi- PARADISE 詳細

     

    村山悟郎+菅亮平合同ゼミ1 終了

    「テクスト論と作家論から」

     

     

    日時:2020年1月14日(火) 10:00~12:00

    場所:東京藝術大学上野校地 中央棟第6講義室

     

    油画科非常勤講師の村山悟郎および菅亮平による本講座では「テクスト論と作家論」をテーマとし、作者と作品制作の関係について、批評理論としての二つの立場の相違を踏まえた考察を行います。私たちはそれぞれのアイデンティティを根拠付ける様々な民族、地域、文化、宗教、歴史的背景を持ち、一般にそれらアーティストの出自とその文脈から生まれる問題意識を、美術の形式や言語に接続することで作品を創造します。そうした作品制作と批評との間では、作家を起点とする解釈の視点と、作品(テキスト)自体の解釈に重きを置く視点が常に交錯します。 まず最初の村山のレクチャーにおいては、作者と作品の関係性を分析するための概念的・理論的な思考の枠組み(領域横断と間文化性、そしてバイ・カルチュラル・アプローチの提案)を提示し、後半の菅のレクチャーでは「作家研究(作家論)」の観点から、アートのプラクティスの見地からの先行研究の在り方を提示します。作品を創作する私たちに常につきまとう、作品の形式的構成とアイデンティティの確立の相関性について課題抽出を行なうことを目指します。

    (※油画科学部一年生は必修です。)

     

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    村山悟郎+菅亮平合同ゼミ2(2日間)終了

    「意味と形式」

     

     

    日時:2020年1月22, 23日(水, 木) 17:00~19:00

    場所:東京藝術大学上野校地 中央棟第3講義室

     

    日本は他国と国境を接していない島国という地政学的特性があり、したがって他者との差異を自らの国、地域、民族、宗教、社会的背景、美術史の中から意味づけすることの風習的要請に乏しい背景があります。油画科非常勤講師の村山悟郎および菅亮平による本講座では、作品のコンセプトを形成する二つの軸である「意味と形式」をテーマとし、グローバリゼーションの限界と再構築が進む今日の世界情勢において、アーティストとしてのアイデンティティの在り方について再考します。一日目は、両講師による作品制作とその理論的背景に関するレクチャーを経て、参加学生を交えたディスカッションを行います。二日目は、油画1~3年生が年度末の講評会に提出した作品の中から本テーマの検討に適した作例を両講師が選定し、作品のプレゼンテーションを学生に依頼します。各自の発表後はそれぞれの作品における意味と形式の認識的配置を確認し、相互に批評し合うことで自身の制作を省みる機会となることを目指します。

    (B2から奥村研太郎、奥村美海、笠井美香、花月啓祐の4名、B1から山本和真、中山夏希の2名がプレゼンテーションを行います。)

     

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    授業概要 >

     

  • Teacher

    菅亮平(かん りょうへい)。美術作家。2019年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻非常勤講師。1983年愛媛県生まれ。2013年に「ドイツ学術交流会奨学金(DAAD)」を受賞して以降、ミュンヘンと東京を拠点に活動し、2016年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、博士号(美術)を取得。2019年にミュンヘン国立造形美術アカデミー修了、フローリアン・プムへスル教授のもとでマイスターシューラー号を取得。近年は主に美術館やギャラリーの展示空間を題材とした平面作品や映像作品を発表する。主な個展に「As you see it」(ヤマモト・ケイコ・ロシェックス / ロンドン / 2019年)、「In the Walls」(資生堂ギャラリー / 東京 / 2017年)、「Room A.EG_05」 (ミュンヘン国立造形美術アカデミー / ミュンヘン / 2014年)、「White Cube」(トーキョー・ワンダー・サイト / 東京 / 2013年)などがある。主な受賞歴に「シェル美術賞2012 島敦彦審査員賞」(2012年)、「野村美術賞」(2015年)、「第一回枕崎国際芸術賞展 大賞」(2016年)、「デビュタント・スポンサーシップ 」(バイエルン州科学芸術省 / 2019年)などがある。


    アーティストウェブサイト:https://ryoheican.com

    コンタクト:kan.ryohei@fa.geidai.ac.jp